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sakanaction / サカナクション (2013) ~名刺代わりに小難しい作品集を~

今回レビューするのは、メンバーの出産による休止から復活しシングル「新宝島」をリリースした5人組バンド・サカナクションの現状最新アルバムにして最大売り上げを記録した6thアルバム
「sakanaction」
です。



「sakanaction」は5人組バンド・サカナクションが2013年3月にリリースした6thアルバム。
初動8万枚、累計17万枚の売り上げやシングル・アルバム通して自身初となるオリコン1位を記録するなど、商業的に成功を納めたアルバム。
このアルバムのヒットを受けて、2013年年末の第64回紅白歌合戦に出場した。

非常に評価が難しいアルバム
インタビューなどによるとこのアルバムは「表と裏」という二つの側面を持ったアルバムらしいが…

「あっ、良いの見つけた!」とばかりにシングル曲ではAメロ→Bメロ→サビ→二番→Cメロ→大サビのような最後まで大サビを温存する構成を多用してキャッチーさや曲の爆発力を高める手法をとっていました。メロだけでなく構造からも盛り上げていく形です。

しかし、そのような構造を用いたりするのは「表」の4曲、シングル3曲とリードトラック「Aoi」だけ。
他の曲ではそういった盛り上げ方法は一切用いていません。
もっと言うと、今回は「表」の4曲を除くと歌モノやギターロックからも逸脱した曲ばかりです。

ではそんな「裏」の曲たちはどんな曲になっているかというと、ズバリクラブミュージック
シンセを多用し、宅緑のような(実際にこのアルバムはボーカル山口一郎の自宅で製作したそうだが)打ち込みサウンドを完成させている。
その結果、「サカナクションの音」ともいうべき、J-POPにはあまり無かったようなミニマルテクノ的なサウンドを作っています。それこそが心地好さや聴き心地の良さを感じさせる抜けの良い音を導いているのでは無いだろうか。

しかし、前述したように歌モノで無いこと>音数が少ない曲が多くEDMのような派手さに欠けること、またクラブミュージックのダンスサウンドの割には低音が弱くて中音域が強いこと、など様々な原因が有るのだろうが、このアルバムを聴いて初めに思ったことは「地味やな」という一言。

1曲目がバイノーマル録音という技術を使った1分程の環境音のようなインスト、2曲目が「ラララ」の合唱のみのダンスミュージック、そして3・4曲目に紅白出場曲「ミュージック」とCMソング「夜の踊り子」という分かりやすくポップなシングル曲を並べて5曲目に数の少ない地味な打ち込みクラブミュージックの「なんてったって春」と続くように、曲順かかなり歪でバラバラなアルバムという印象を受ける。
1曲1曲聞くとどの曲もそんなにハズレでもないので、曲順の失敗と言うべきだろうか。
冒頭2曲歌詞無しは攻めているとも言えると思うが、アルバム曲でキャッチーな曲が8曲目とアルバムの中盤にならないと出てこないのはもったいない。

また、本人たち的には「サカナクションの武器」だとして合唱を多用しているが、個人的には歌メロを乗せつつギターロックやクラブミュージックといった様々なジャンルを融合させた曲がサカナクションの持ち味だと思っている。なので、今作みたいにそれぞれがバラバラなジャンルの音楽になっているのは少し惜しいなと思った。

歌詞は、前作の製作の苦悩・産みの苦しみのようなボーカル山口一郎の感情のこもった歌詞ではなく、詩的な表現の多い浮遊感のある歌詞になった。
耳触りが良いように、演奏にあったフレーズを用いているようで歌詞の言葉にも小気味良いリズムが備わっています。

今回はセルフタイトルのアルバムということもあり、自己紹介的な意味もあったのだろうがサカナクションの多様性を紹介する1枚となった。
その結果、ギターロックや歌メロからも外れていくような意思も感じられる。
このタイミングでマニアックな作風に走ったのはすごい勇気だと思うが、あと1曲ぐらいキャッチーなものがあっても良かったのではないだろうか。

全体として紅白出場に至るサカナクションのブレイク期を象徴する良い作品集だと思うが、あと少し惜しい1枚。
次のアルバムでどの方向に進むか楽しみ。

個人的評価…79点


サカナクション
山口一郎(Vo, G)
岩寺基晴(G)
江島啓一(Dr)
岡崎英美(Key)
草刈愛美(B)

収録曲(青文字…既発シングル収録曲)
1.intro
2.INORI (編曲:サカナクション・AOKI takamasa)
3.ミュージック (8thシングル・フジテレビ系ドラマ『dinner』主題歌)
4.夜の踊り子 (7thシングル・学校法人モード学園(東京・大阪・名古屋)2012年度CMソング)

5.なんてったって春
6.アルデバラン
7.M
8.Aoi (2013年度NHKサッカーテーマ曲)
9.ボイル
10.映画
11.僕と花 (6thシングル・関西テレビ系ドラマ『37歳で医者になった僕~研修医純情物語~』主題歌)
12.mellow
13.ストラクチャー (作曲:サカナクション、編曲:サカナクション・AOKI takamasa)
14.朝の歌
15.『バッハの旋律を夜に聴いたせいです。』 (Ks_Remix) (ボーナストラック・初回限定盤のみ収録)

特記以外
作詞作曲:山口一郎
編曲:サカナクション

初回限定盤:ライブ映像・メイキング映像など収録のDVDまたはBlu-ray付属

収録時間 59:16
リリース 2013年3月13日
売上成績 週間最高1位
レーベル ビクターエンターテイメント
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