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【コラム】「Family Song」から考える星野源の戦略性

先日8/1、星野源の新曲「Family Song」のMVが公開された。



ドラマ「過保護のカホコ」主題歌に起用されたこの曲は、YoutubeにアップされたMVは既に500万回再生を突破する勢いで、前作シングル「恋」から衰えを知らない星野源ブームの人気ぶりを見せつけている。

既に、この曲については本人が「星野源のオールナイトニッポン」で語りつくしており(恐らく発売週の来週8/15の放送でも語るはず。良いラジオ番組なのでみなさんもぜひ聞いてみて下さい。パソコンやスマホからでもradikoで聴けます)、公式ホームページの特設ページにも詳細なレビューが掲載され(
http://www.hoshinogen.com/special/familysong/)、相互リンクさせていただいている音楽ブログ「雑記」にも優れたレビューがアップされているので(http://fujimon-sas.hatenadiary.jp/entry/2017/08/02/170000)、私が改めて楽曲の詳細について述べる必要もないだろう。

一言で言うと、この曲はアップテンポの楽曲でも、泣かせにかかるバラードでもない。本人が「この曲はハイ、泣いてくださいというバラードではなく、テンポは遅くても楽しいスローテンポな曲にしたい」と語っている通り、スローテンポな楽曲だ。
アップテンポで盛り上がれる曲が流行るこのご時世で、シングルという"勝負手"として切るには難しい曲調であることは言うまでもないだろう。星野源に限っても、「SUN」「恋」に限らず、ここ数作のシングルはアップテンポの曲が続いており、テンポの遅いシングル曲となると2012年リリースの4thシングル「知らない」まで遡る。
直前のアルバム「YELLOW DANCER
」もタイトル通り踊れる曲が主体、リード扱いの「時よ」も「Week End」もダンスナンバーで、恋ダンスに象徴されるようにダンスナンバーを武器としていた星野源が、「恋」という大ヒットのあとに、スローテンポの楽曲をシングルとして選んだのだろうかと不思議に思う人も多いだろう。この先、「恋」が収録されるアルバムが待っている、ということも考えると、より不思議に感じる人が増えるのではないか。

しかし、しっかりと「恋」からの連続性は感じられる曲に仕上がっていると僕は思う。
星野源自身が語っている「イエローミュージック」というコンセプト、ブラックミュージック的な要素と日本らしい古き良き歌謡曲的なテイストが混じっているからであろう。

1960~70年代のソウルミュージックを目指して作られたと語られているように、今作にもブラックミュージック的な要素が流れている。ゆったりしながらもどこか身体を揺らしてしまいたくなるようなリズム(実際MVで歌う星野源も身体を揺らしている)や、Aメロに顕著なギターリフの裏拍的な入れ方、神聖さを感じさせるハミング的なコーラスに象徴的に表れているのではないだろうか。
一方で、MVで描かれている「サザエさん」的世界観にも通じる土着的なメロディーは歌謡曲っぽさに溢れていて、ゆっくりとハッキリと歌うサビのメロディーは「恋」にも通じている。ラストには「ラララ」のシンガロングも盛り込まれていて、これはJ-POPでもおなじみのパターンだ。星野源の大ブレイクの要因はアルバム「YELLOW DANCER」期以降のメロディー面での力強さ、口ずさめるようなキャッチーさが出てきたことにあると思っているのだが、この曲でもその要素は垣間見れる。(「SUN」「恋」に比べるとややメロディーが弱いことは否めないが)

このように、「Family Song」は非常に巧みに作りこまれたものであり、狙いが明確に定まったものであるのだ。このタイミングで久々のスロウテンポ、星野源のイメージから離れたように感じる人もいるかもしれないが、確実に今の星野源のモードに沿ったものであると言える。(反対に、過去のバラードシングルでも「くだらないの中に」のような歌を聴かせるものとは別ジャンルに位置づけられるものだと思う)
二番煎じ的な曲調で失速していくアーティストは多く、反対にアップテンポの後に勝負曲としてバラードを持ってくるのも難しい。そんな中で、今のブレイクで出来た山を上手に持続させる流れとして、ヒットした曲の要素を受け継ぎつつスロウな楽曲を持ってくるのは非常に上手いなぁと感じさせられました。
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