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Sea and The Darkness / Galileo Galilei (2016) ~それでもいい 不揃いなピースでいられる~

今回レビューするのは昨年活動を終了したGalileo Galileiのラストオリジナルアルバム
「Sea and The Darkness」
です。

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「Sea and The Darkness」は、Galileo Galileiが2016年1月27日にリリースした4thフルアルバム。今作のリリース直前、1月24日にGalileo Galileiは今作のリリースとライブツアーを持って活動を"終了"したため、今作が最後のオリジナルアルバムとなった。
先行シングル3枚から4曲を収録。

終わりに向かう仄暗さ・死生観を感じさせる暗いアルバムでありながら、音楽的には2nd以降急激に深化させてきた洋楽インディーロック的な要素と、初期の方向性であり直前のミニアルバム「SEE MORE GLASS」でも志向されていたJ-ROCK的要素が絶妙なバランスで融合された、Galileo Galileiの集大成的なアルバムになっている。

"Galileo Galilei"のデビュー時の鮮烈なギターロックの印象から離れ、2ndアルバム「PORTAL」から洋楽由来の浮遊感の強いシンセサウンド・インディーロック的なギターサウンドに傾倒していき、バンドのパブリックイメージと音楽性の間の差に苦しんでいたバンドでもある彼ら。
緻密に練り上げられたサウンドは魅力的でコアな音楽ファンからの支持も集めていましたが、あまりにも作りこまれて分かりづらくなったことや路線が迷走気味だったこともあり、リスナーが徐々に減っていたのも事実。

しかし、今作ではそういった音楽的な試行錯誤が結実し、Galileo Galileiの完成形ともいえる理想的なバランスのサウンドに仕上がっている。
地に足付けた泥臭いアコギ・キックの音色が確かな肉体性・力強さを感じさせ、それが暗く重たい楽曲の世界に結びついているのが見事。3rdフルアルバム「ALARMS」でPOP ETCのクリストファー・チュウのプロデュースの元、獲得した洗練されたサウンドがさらに魅力を増している。
一方で「PORTAL」でカラフルな彩りを見せていたシンセサイザー・電子音によるアクセントの付け方も絶妙で、バンドの演奏と結びつきつつ音の広がりをさらに深めてくれている。
必要以上に電子音の加工によってふわふわし過ぎることもなく、焦点がクッキリと合ったサウンドだと言えるだろう。

そんなアルバムは、プロローグのような「Sea and The Darkness」からはじまる。狭い空間を想像させる歌声とアコギ音の反響、深いところへ潜っていくアルバムの導入となる楽曲です。
軽やかなリズムとシンセ・バンドサウンドを交えた洋楽・ブルースの要素の強い渋い音作りの演奏ながら、イジメのやり返しで殺してしまう「カンフーボーイ」や死んだ君の話を歌う「ゴースト」、不自然な死についての「ウェンズデイ」と死についての曲が並び、鬱屈としたこの先を予感させます。
清涼感と暗さを合わせた声の女性ボーカリスト・Aimerとのデュエットソング「ベッド」、前作ミニアルバム「Sea and the Darkness」にデモ音源が収録されていた「鳥と鳥」と、明るい曲調の曲が続きますが、どこか空元気のような乾いた空気を感じさせます。
フェードインで始まりフェードアウトで終わる、シンセの漂うような独特な浮遊感に包まれた「萌える森と氷河」、エレピの弾き語りによる「日曜」とアルバムの箸休め的な楽曲が配置され、シングル群へ。
美しいギターフレーズが彩るイントロで幕を開ける、J-POP的にドラマチックな展開とキャッチーなメロディーの「恋の寿命」、高揚感を煽りつつも柔らかな演奏もあってバンド史上でも屈指の万人に受ける完成度の高さなのではないだろうか。スローなテンポの「嵐のあとで」は大きく包み込むドラムを土台に、メロディーが羽ばたいて行くよう。
もう一度アルバムモードへ切り替えるような「ユニーク」を挟んで、暗闇へと進んでいくような息苦しさとやり場のない負のパワーを感じさせる「ブルース」は今作の軸となる楽曲。複雑で多彩な展開とキャッチーなサビはここまでたどり着いた祝福を示すかのような「青い血」で壮麗なクライマックスを迎えるかと思いきや、「Totally Black」と副題の付けられた終着点としての楽曲である「Sea and The Darkness Ⅱ」へ。電子ピアノ・打ち込みのようなドラムのパキッとしていて透明感のあるサウンド、ストリングスやサックスの美しい旋律とは裏腹に、傷ついた感情を吐露するようなボーカルはアルバムの中でも一番生々しさを感じます。
「ブルース」以降の流れは圧巻で、アルバム全体の流れも、このアルバムを持って解散するバンドの全体像をも決定づけるような凄まじささえ感じますね。

ラスト2曲、「クライマー」と「ポニーとクライド」はアルバムの流れから外れるためボーナストラック扱い。邦ロック的な前のめりでアップテンポな楽曲で、前向きで開放的なエネルギーと爽快感に満ちています。

歌詞の激情的な感情の吐露も含め、認められたいともがくバンドの姿をぶつけるような美しさに満ちた素晴らしいアルバム。これで解散してしまうのが本当にもったいないぐらい、芸術的な精度でこれまでのバンドの音楽的な遍歴が結集した名作のアルバムでした。これからも聴き続けようと思います。

個人的評価…91点

オススメ曲
1.Sea and The Darkness ~13.青い血 (Studio Session映像)


4.ウェンズデイ


9.恋の寿命





Galileo Galilei
尾崎雄貴(ボーカル、ギター)
佐孝仁司(ベース)
尾崎和樹(ドラムス)



収録曲 (青字…既発シングル収録曲)
1.Sea and The Darkness
2.カンフーボーイ
3.ゴースト
4.ウェンズデイ
5.ベッド
6.鳥と鳥
7.燃える森と氷河
8.日曜
9.恋の寿命 (re-mix, re-master ver) (8thシングル・アニメ「まじっく快斗1412」ED)
10.嵐のあとで (9thシングル・劇場アニメ「台風のノルダ」主題歌)
11.ユニーク
12.ブルース
13.青い血
14.Sea and The Darkness Ⅱ (Totally Black)
15.クライマー (re-master ver) (10thシングル・アニメ「ハイキュー!! セカンドシーズン」ED)
16.ポニーとクライド (re-mix, re-master ver) (10thシングルC/W)

全作詞:尾崎雄貴
作曲:尾崎雄貴
        尾崎雄貴&尾崎和樹(#1,8,14)
        尾崎雄貴&佐孝仁司(#16)
編曲:Galileo Galilei

収録時間 59:49
リリース 2016年1月27日
売上成績 週間最高19位
レーベル SME Records
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