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両成敗 / ゲスの極み乙女。 (2016) ~ゲス節ポップソングがありあまる~

センテンス・スプリング騒動で2016年年始は大きな話題を呼んだバンド・ゲスの極み乙女。の2ndアルバム
「両成敗」
をレビューします!

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「両成敗」はゲスの極み乙女。の2ndフルアルバム。
2015年末の紅白歌合戦で披露された「私以外私じゃないの」を含め、既発シングル3枚から表題曲4曲・C/W3曲、アルバム全体では17曲を収録。
既発シングルの大型タイアップなどでファン層を大幅に拡大し、紅白歌合戦出場まで果たした後、待望のアルバムリリースだったため売り上げも期待されていたが、アルバム発売前にボーカル川谷絵音のベッキーとの不倫騒動が週刊文春によって発覚された。その影響もあってか売り上げは伸び悩み、初のオリコン週間1位は獲得したものの累計10万枚をかろうじて越えるレベルの売り上げにとどまった。(同時期に発売されたback number、星野源は25万枚を越える売り上げを記録している。)

「超キャッチーなサビ+複雑でジャンルレスな高い技術の演奏」という方程式に基づいたゲスの極み流ポップソングが大ボリューム17曲収録された楽曲集。
川谷絵音が作曲者としてかなりノリに乗った状態で作成されたようで、手癖の勢いで作りきった印象も受けます。今まであったような実験的・悪ふざけ的な曲がほぼ消え、暗くネガティブな曲が多いのも印象的です。

トリッキーかつ目まぐるしいジャンルレスな楽曲の場面展開が彼らの最大の特徴。
早口に言葉が詰め込まれたAメロから女性コーラスとの掛け合いによるBメロ、そしてキャッチーで耳に残るメロディーの開放的なサビへ、スピーディーに陰から陽へと向かう構成が得意技で、「オトナチック」「ロマンスがありあまる」といったシングル曲やアルバムリード曲の扱いをうけている「両成敗でいいじゃない」「煙る」といった楽曲に使われています。
トリッキーかつ多様なアレンジを見せるのは間奏。ベース・キーボード(ピアノ)・ギターいずれもソロを取れる技術の高さを活かし、曲によって主役・引き立て役を入れ換えつつ聞き応えある間奏パートを作っています。特にピアノソロの要素はなかなか他のバンドにはないですね。アレンジに合わせて、時には打ち込みリズムやアナログシンセ、ストリングス(打ち込みのようですが)といったバンド以外の音色も使っています。
冷静にリズムを刻みつつ少しずつ盛り上げ、しっかり間奏に収拾をつけるドラムも好印象です。

演奏面ではこれまでの飛び道具的要素は鳴りを潜め、ピアノやベース、ドラムといった楽器本来の生の音を聴かせる曲が増えた印象。大人しくなった感じもしますが、上質な音楽に脱皮を図ろうという意思を感じます。
メンバーではなく佐々木みお、服部恵津子という2人のサポートによる女性コーラスが頻繁に用いられておりツインボーカルのような使われ方をしているのも特徴的。

このアルバムの大きなマイナスポイントは曲ごとの狙い・違いが見えづらく、似たような曲が並ぶように聴こえること。
曲中に寸劇したうえで後半大幅にテンポアップする「Mr.ゲスX」と弾き語りチックな「id1」を除くと、マイナーコードでテンポもBPM140ぐらいといった曲がかなり多く、曲の構成も前述した通り似たようなものが多いため、どうしても聴き飽きてしまいます
メロディーからもどこか覇気が感じられず、一定のテンションで流れていってしまうような感じを持ってしまいます。
歌詞も面白いなと思うのは「勤めるリアル」ぐらいであとは鳴り重視のような感じです。
せめてC/W2曲の再収録を無くして15曲にしておけば、全体的に好印象のアルバムになったと思うのですが。

1曲1曲取り出して考えると欠点はないし演奏力も高く編曲も面白いのですが、アルバム通しで考えると手癖に頼ってる面が露呈してきて物足りなく感じてしまいます。パンチにやや欠けるような印象です。
寸劇などの悪ふざけ要素を排除して本気で勝負していくという狙いは分かるのですが、前作にあった軽さから来る勢い聴きやすさを損なってしまった気がします。
不倫騒動で大きなチャンスを逃した気もしますが、次回作は今後に繋がる1枚になるのか、バンドの失速に拍車をかける1枚になるのか、分岐となると思われるので期待したいですね。彼らにしかない個性は損なわずにしっかりと作り込まれた、もっと力強い作品を期待してます。

個人的評価…79点

ゲスの極み乙女。
川谷絵音(Vocal&Guitar&Programming)
休日課長(Bass&Chorus)
ちゃんMARI(Keyboard&Chorus)
ほな・いこか(Drums&Chorus)

収録曲 (青字…既発シングル収録曲)
1.両成敗でいいじゃない
2.続けざまの両成敗
3.ロマンスがありあまる (3rdシングル・映画「ストレイヤーズ・クロニクル」主題歌・トヨタ「ボルテ」「スペイド」日テレ限定CMソング)
4.シリアルシンガー
5.勤めるリアル
6.サイデンティティ (3rdシングルC/W・映画「ストレイヤーズ・クロニクル」挿入歌) 
7.オトナチック (4thシングル・NTTドコモ「dヒッツ」CMソング)
8.id 1
9.心歌舞く
10.セルマ
11.無垢
12.無垢な季節 (4thシングル両A面曲)
13.パラレルスペック (funky ver.) (2ndシングルC/W)

14.いけないダンス
15.私以外私じゃないの (2ndシングル・コカコーラCMソング)
16.Mr.ゲスX
17.煙る (スマホゲームアプリ「消滅都市」CMソング)

作詞作曲:川谷絵音
編曲:川谷絵音

初回限定盤:横浜アリーナでのライブの模様を数曲、またレコーディングなどの映像を収録したDVD付属

収録時間 63:54
リリース 2016年1月13日
売上成績 週間最高1位
レーベル ワーナーミュージック・ジャパン
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