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C2 / Base Ball Bear (2015) ~それでもギターロックを続けていく~

Base Ball Bearの6thアルバム
「C2」
をレビューします!

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「C2」はギターロックバンド・Base Ball Bearの6thアルバム。2015年11月11日リリース。この日はバンドの結成日でもある。
2015年8月から3か月連続でリリースした"エクストリーム・シングル"表題曲3曲を含む12曲を収録。
2016年3月2日をもってギター・湯浅将平がバンドから脱退したため、彼が参加する最後のアルバムとなった。
前作「二十九歳」が2ndアルバム「十七歳」との関係を持ったタイトルだったのに対し、今作は1stアルバム「C」との関係を持つアルバムタイトルとなっている。

タイトルから想像されるような「原点回帰」の要素もあるが、どちらかというとここ数年(severalではなくa fewの"数年")でリズム隊が急成長し、円熟味を増したバンドの演奏力・表現力を用いて今の4つ打ち全盛邦ロックシーンに問題提起をしてバンド自体を1歩先の時代へ連れていく名盤。
ギターロックを愛し、4つ打ちを流行らせるキッカケを作ったBase Ball Bearがパブリックイメージを気にせず新たな方向へ歩きだした意欲作で、新たなBear Ball Bearの幕開けを予感させるアルバムです。

今作も打ち込みなど他の楽器を用いずギター・ベース・ドラムの4人の音だけで勝負している
最も大きな変化は軸となる楽器がギターからベース・ドラムのリズム隊にシフトしたこと。リズム隊が成長したことで力強いグルーヴを作れるようになり、曲を引っ張れるようになっています。
リズム隊が主となることによって楽曲の生々しさが増しているように聞こえますね。ギターも自由度を増し、編曲の多彩さに貢献してると思います。

今作では4つ打ち全盛のシーンへのカウンターとして、意図的にテンポが落とされ、また派手で客受けしやすい曲も作られていないように見受けられる。
彼らの狙いとしては「『それって、for 誰?』part.2」で「砂漠に水を撒こう」と歌うように、今のシーンにこれからのための種を蒔くイメージで製作されたようだ。
特にその流れは前半に顕著で、「こぼさないでshadow」「美しいのさ」「レインメーカー」のようなミニマムな編曲で作られ、歌を聴かせる歌謡曲的エッセンスの入った曲、「曖してる」と先行シングル「文化祭の夜」のようなリズム隊の力強いグルーヴによって成立するファンクな曲といった、これまでならアルバムに1曲程度しか入れなかったような曲調の曲が並ぶ。
アルバムの山となる後半には「カシカ」のようなテンポの速い曲も入っているが、ギターの重たい音色が乗っかり最も重い編曲でテンポも遅い「ホーリーロンリーマウンテン」もある。全体として、売れ線からは外されたような曲で、バンドの挑戦心を感じます。

このアルバムの優れた点は後半に盛り上がりを持ってきて一切飽きさせることがないこと。
8曲目に唯一のアップテンポ・ギターロック「カシカ」を配置することでアルバムの流れを再加速させています。
ラスト2曲、ポップでキャッチーながらアルバムで聴くと違って聞こえる先行シングル「不思議な夜」、1曲目と繋がりこのアルバムの主題・意義を歌う重要曲「『それって、for 誰?』part.2」と繋がる締め方も秀逸です。

女性ボーカルとして関根の声を活かす曲が多いのも印象的。「美しいのさ」はソロボーカル曲ですし、その他数曲で掛け合い的なパートや印象的なコーラスを担っています。かなり平板的に歌う彼女の歌声はソロボーカルよりコーラス向きだと私は思うのですが、みなさんはいかがでしょうか。
メインボーカル・小出の歌い方もやや変わっているような印象。ファンキーな曲調が増えたからか後ろにタメがちで、かつクセが強い歌い方になったと思います。個人的には歌に芯があるような気がして好きですね。

メロディーに関しては、かなり言葉を詰めて歌っているのが印象的。サビでは同じフレーズをリフレインさせる手法もとられ、キャッチーにしようと工夫されているのがわかります。
歌詞は30代に突入したメンバーならではの"青春"を切り取ったもので、「C」の頃の瑞々しさは保ちつつ年相応の葛藤や円熟味も加わって良い歌詞になっていると思います。

30代になったバンドならではの、次の活動の幕開けを感じさせる円熟味と解放感を併せ持った名盤
歌・メロディーの良さもあり、力強いグルーヴの演奏もあり、ギターロック好きなら是非聞いておくべき1枚だと思う。
これからのシーンに向けた1枚で、今後の活動にも興味の沸くアルバムだったのだが、このアルバム発売後2016年2月にギターの湯浅が脱退してしまった。
今後、このバンドかスリーピースの編成で進めていくのか、新たな方向へ向かうのか、非常に興味が湧きます。


個人的評価…91点

オススメ曲
1.「それって、for 誰?」part.1
グルーヴィーな演奏に乗せて、SNSへの辛辣な意見を歌うナンバー。
メロディーのキャッチーさやコミカルな言葉遣いで重たくならず軽やかに聞こえるが、音楽的にもメッセージ性としても重たいものを含んだ楽曲です。


4.曖してる
ギターの音作りやコーラスから80年代っぽい古さを感じられるダンスナンバー。
4つ打ちで盛り上げるナンバーながら、ベースやギターのファンク的グルーヴなど一筋縄でいかないクセが感じられます。

5.文化祭の夜
アルバムの中でも飛び抜けてファンキーで、ブラックミュージック的なシャウトが随所にみられるのが面白い1曲。
ドラムの土台の上で、ボーカル・コーラス・ギター・ベースがそれぞれのクセを存分に発揮するかのような個性の強いサウンドとなっている。


9.ホーリーロンリーマウンテン
歪んだギターの重たい音色が楽曲を覆う、スローナンバー。
ツインボーカル曲で、暗く沈む中に差してきた光のような関根の女声ボーカルが印象的だ。

11.不思議な夜
年齢を重ねた視点から恋の瑞々しい始まりを歌う、ベボベ屈指の名曲。
ファンキーな部分も残しつつ、爽やかなサウンドにはベボベらしい青春感もあって、キャッチーなメロディーにはどこか切なさも感じさせます。


12.「それって、for 誰?」part.2
徐々にスピードを増す8ビートに乗せて、ソングライターとしての意思表明のようなメッセージが込められた1曲。
何があっても、「それでも、それでも、って、歌い続けてゆく」バンドでいてほしいですね。

Base Ball Bear
小出祐介(ボーカル、ギター)
関根史織(ベース、コーラス)
堀之内大介(ドラムス、コーラス)
湯浅将平(ギター)

収録曲 (青字…既発シングル曲)
1.「それって、for 誰?」part.1 (17thシングル)
2.こぼさないでShadow
3.美しいのさ
4.曖してる
5.文化祭の夜 (18thシングル)
6.レインメーカー
7.どうしよう
8.カシカ
9.ホーリーロンリーマウンテン
10.HUMAN
11.不思議な夜 (19thシングル)
12.「それって、for 誰?」part.2

作詞作曲:小出祐介
編曲:Base Ball Bear,玉井健二(#1,11)、Base Ball Bear(特記以外)

初回限定盤:「C2」Instrumental Verを収録したCD、1stアルバム「C」のリマスタリング盤CDの2枚が付属。

収録時間 56:11
リリース 2015年11月11日
売上成績 週間最高14位
レーベル EMI Records
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95点~ 1年に1枚あるかどうかの名盤
90点~ 自信をもっておすすめできる名盤
85点~ 興味があるならぜひ聞いておくべき良盤
80点~ 聞いても損はしない良盤
75点~ 興味があるなら聞いても損はしない
70点~ 興味があるなら聞いてみても悪くはない
~70点 少し期待外れ

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